三徳山
Mt.Mitoku霊場に美しき国宝「投入堂」が聳える
鳥取県のほぼ中央に位置する三徳山は、かつて大山とともに山岳信仰の霊場として栄えました。麓から中腹にかけて、断崖絶壁に沿うように、文殊堂や地獄堂などの諸堂が並びます。そして、険しい山道をくぐり抜けた先には奥院「投入堂」(国宝)が聳えます。
このような絶壁に精緻なお堂を建築した、当時の山岳信仰の力は大きなパワーであったことが伺えるでしょう。
三徳山を歩く。
三徳山の登山事務所から、投入堂までは約700m。1時間から1時間30分程度で投入堂まで歩くことができます。
急な斜面や岩場が多いため、ウォーキングシューズが必須となりますので、ご注意ください。
険しい岩場を登っていくと、美しい草花が目に留まるでしょう。三徳山は、そのすばらしい建築物だけではなく、自然の貴重種の宝庫でもあります。
絶滅危惧種のメノマンネングサ、ヒモカズラ、コオニユリなどを観測することができます。
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投入堂
役行者が三徳山を訪れた時、その山のふもとでお堂をつくりました。役行者は法力でお堂を手のひらに乗るほどに小さくし、大きな掛け声と共に断崖絶壁にある岩窟に投入れたと言われています。このことから「投入堂」と呼ばれるようになりました。
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元結掛堂・観音堂・納経堂
投入堂の手前にある3つのお堂は、元結掛堂・観音堂・納経堂です。
納経堂は投入堂と同じ鎌倉時代の春日造りで国指定の重要文化財。投入堂と同じく岩のくぼみに建てられた神社建築としては日本最古級のものとなっています。お堂の中には、修行僧の写経が納められています。
大小並んだお堂は、元結掛堂・観音堂です。江戸時代前期、鳥取藩主池田光仲によって再建されました。観音堂は鳥取県指定の重要文化財に指定されています。 -
地蔵堂
崖の上に立つ地蔵堂は国指定の重要文化財です。ここからの眺めはまさに絶景で、お堂の周りをぐるりと一周することができます。雨を流すため、周りの廊下は少し傾けて設計されており、スリルも満点です。地蔵堂の本尊は子守延命地蔵菩薩で「子守権現」とよばれています。建物内部には寺を焼かれた僧の墨書きが納められており、焼失と再建が繰り返された事がうかがえます。
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文殊堂
クサリ坂を登れば見えてくるのが国重要文化財である文殊堂。
崖の上に絶妙なバランスで建てられており、その姿は芸術を感じさせ、まさに圧巻。また、文殊堂の周りは地蔵堂と同じく一周することが出来、晴れていると日本海まで望めます。その眺めは疲れも吹き飛ぶほどの美しさ。
文殊堂の本尊は文殊師利菩薩で「勝手権現」と呼ばれています。
永禄10年頃に建築されはじめたと考えられており、こちらも古い歴史を感じさせます。 -
鐘桜堂
地蔵堂を越えれば見える鐘楼堂は、鳥取県の重要文化財。
約1.15m、約3tもある大きな鐘をこの場所にどうやって運んだかは解明されていません。お賽銭を入れて鐘をつくこともでき、その音色はまるで心が洗われるようです。
ここを越えれば、牛ノ背、馬ノ背へと続いていきます。
参拝・参拝登山でのご注意
・入山届を提出すること。8時から15時までが受付時間です。参拝時間外は閉門します。雨や雪など、悪天候の場合は、入山禁止となります。(例年1月~3月ぐらいまでは積雪のため、入山禁止です。)
・喫煙・線香・ロウソク等火気厳禁。
・ゴミは各自持ち帰ること。御札やお供え物は置かないこと。
・境内山内はすべて国指定史跡及び吊勝のため、動植物の採集は厳禁。
・2人以上で入山すること。
・靴の確認を受けてから入山すること。かかとの高い靴・サンダル・革靴では受付ができません。また、登山用シューズなど山道を痛めそうなものでも受付できません。
・立入り禁止区域には、入らないこと。
・酒気帯び、体調の悪い方等の登山はしないこと。
・投入堂参拝受付時に輪袈裟(わげさ)をお貸しします。必ず輪袈裟をしてご参拝ください。
区分 | 投入堂参拝 | 本堂まで |
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大人 | 600円 | 400円 |
小人(小、中学生) | 300円 | 200円 |
団体大人(20人以上) | 550円 | 350円 |
団体小人(20人以上) | 250円 | 150円 |
登山受付 8:00~15:00